標準型電子カルテ導入への心構えを!

医療DXの一環として、国は「遅くとも2030年には概ねすべての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す」ことを目標に掲げています(医療DXの推進に関する工程表)。

2023年の医療施設調査によると、医療機関の電子カルテ導入状況は、病院で約65%、診療所で約55%。
導入済施設の多くはオンプレミス型を採用しています。

「医療情報を共有するための電子カルテ」の実現には、各システムベンダが開発する電子カルテが、共通した基本要件を備えている必要があります。情報をやり取りする際に、形式が違っているとスムーズな受け渡しができないためです。

現在、国がクラウドベースの標準型電子カルテを開発中で、一部医療機関でモデル事業が実施されています。
2025年度中に本格運用の具体的内容について示した上で、2026年度中目途の完成を目指すとのこと。

電子カルテ未導入の医療機関については、この標準型電子カルテの導入をすすめることになるでしょう。
すでに電子カルテを導入を予定している医療機関に対しては、共有サービス・電子処方箋管理サービスへの対応を促すとしています。

電子カルテ導入済の医療機関については、2通りのすすめ方が考えられます。

・現在導入している電子カルテがオンプレミス型の場合:国はクラウドベースの電子カルテを推進しているため、次回更改時にクラウド型へ移行することを促す
・現在導入している電子カルテがクラウド型の場合:標準型電子カルテに準拠したものへの移行をはかる

いずれにしろ、電子カルテを利用する(予定も含む)医療機関は、標準型電子カルテを導入する必要があります。
新規導入する医療機関だけでなく、すでに電子カルテを利用している医療機関も、必要となる資金やUIの変更に伴う現場の混乱ついて、できるだけ早く検討をはじめましょう。