
高齢化に伴う医療費の増加、その対策のひとつとして、後発医薬品の使用がすすめられています。
後発医薬品使用率の低い徳島県
協会けんぽにおける徳島県の後発医薬品使用率は、全国でワースト1位。
長らく使用率70%台が続きましたが、2024年9月、ようやく使用率80%を達成することができました。このとき、全国合計での使用率は85.2%。大きく後れを取っている状態です。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat740/sb7200/sbb7203/2024090504/
しかし、2024年10月診療分のデータに於いて、全国的に使用率が急上昇。
20250306b 20250306c協会けんぽ統計情報-https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/cat740/geppou202410_31.pdf
徳島県では、全国合計の上昇値を上回る3.6ポイントの増加となっています。

2024年10月より「長期収載品の選定療養費徴収」
この急上昇の原因は明らかになっていませんが、個人的には、2024年10月からの新制度が少なからず影響していると考えています。
その制度は、後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養徴収。
医療上の必要がある場合を除き、後発医薬品が存在するにもかかわらず先発医薬品での処方を希望した場合、先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1を選定療養費として徴収する制度です。
たとえば、先発医薬品の価格が1錠100円、後発医薬品の価格が1錠60円である場合、
100円-60円=差額は40円
その1/4である10円を、保険診療の費用とは別に支払う必要があります。
また、この費用は課税対象であるため、消費税がかかります。
もちろん、副作用や効能の関係で後発医薬品を使用することが難しいと医師が判断した場合は、「医療上の必要がある」として、選定療養費は徴収しません。
詳細は、厚生労働省のwebサイトをご覧ください。
この制度について、医療機関では院内やwebサイトに掲載。先発医薬品を希望した場合は、医師から診療の際に説明を受けます。
別途料金がかかってしまうのなら…と、後発医薬品に切り替えた患者が急増したと考えられなくもありません。
もちろん、今回だけのデータで原因を特定することは困難です。他にも急上昇の要因は存在するでしょう。
11月診療分以降のデータが公表されれば、さらに分析が可能となります。今後も後発医薬品の使用率、とくにわが県徳島の動向に注目していきます。