入院料算定の施設基準のひとつ、平均在院日数について、基礎的な事項を再確認しましょう。
平均在院日数の定義
平均在院日数は、患者1名が当該病棟に在籍する平均日数のこと。
急性期病棟ではこの日数を短縮することが求められます。
平均在院日数の計算方法は以下の通りです。
入院基本料等の施設基準に係る平均在院日数の算定は、次の式による。
①に掲げる数/②に掲げる数
①当該病棟における直近3か月間の在院患者延日数
別添6(基本診療料の施設基準通知における別紙) 別紙4
②(当該病棟における当該3か月間の新入棟患者数+当該病棟における当該3か月間の新退棟患者数)/2
なお、小数点以下は切り上げる。
当該病棟の全入院患者の延日数(①)を、同期間の入退院・入退棟数(②)で割り算します。
このとき、
・別表第2に規定される入院患者
・再入棟、再退棟した入院患者
・自費の患者や労災保険等の他制度による給付を受ける患者等、医療保険の給付の対象外の患者
は、計算に含めません。
別表第2<クリックして展開>
別表第2 平均在院日数の計算対象としない患者
1 精神科身体合併症管理加算を算定する患者
2 救命救急入院料(広範囲熱傷特定集中治療管理料に限る。)を算定する患者
3 特定集中治療室管理料(広範囲熱傷特定集中治療管理料に限る。)を算定する患者
4 小児特定集中治療室管理料を算定する患者
5 新生児特定集中治療室管理料を算定する患者
5の2 新生児特定集中治療室重症児対応体制強化管理料を算定する患者
6 総合周産期特定集中治療室管理料を算定する患者
7 新生児治療回復室入院医療管理料を算定する患者
8 一類感染症患者入院医療管理料を算定する患者
9 特殊疾患入院医療管理料を算定する患者
10 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者
11 地域包括ケア病棟入院料を算定する患者
12 特殊疾患病棟入院料を算定する患者
13 緩和ケア病棟入院料を算定する患者
14 精神科救急急性期医療入院料を算定する患者
15 精神科救急・合併症入院料を算定する患者
16 精神科急性期治療病棟入院料を算定する患者
17 児童・思春期精神科入院医療管理料を算定する患者
18 精神療養病棟入院料を算定する患者
18の2 精神科地域包括ケア病棟入院料を算定する患者
18の3 地域移行機能強化病棟入院料を算定する患者
18の4特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する患者
19 一般病棟(一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定する病棟を除く。)に入院した日から起算して九十日を超えて入院している患者であって、医科点数表第一章第二部第一節障害者施設等入院基本料の注5に規定する厚生労働大臣の定める状態等にあるもの
20 一般病棟に入院した日から起算して九十日を超えて入院している患者であって、医科点数表第一章第二部第一節一般病棟入院基本料の注11、特定機能病院入院基本料の注9又は専門病院入院基本料の注8の規定により療養病棟入院料1の例により算定している患者
21 認知症治療病棟入院料を算定している患者
22 短期滞在手術等基本料1及び3(入院した日から起算して五日までの期間に限る。)を算定している患者
23 診療報酬の算定方法第一号ただし書に規定する別に厚生労働大臣が指定する病院の病棟を有する病院において、別表第十一の三に規定する手術、検査又は放射線治療を行った患者(入院した日から起算して五日までに退院した患者に限る。)
24 別表第十一の一に規定する手術又は検査を行った患者
また、
・入院当日に退院した入院患者
・当該病棟から他病棟へ移動した入院患者(当該移動日)
は計算に含みます。
一般病棟入院料における平均在院日数
急性期一般入院料、地域一般入院料における平均在院日数の規定は以下の通りです。
入院料 | 平均在院日数 |
急性期一般入院料1 | 16日 |
急性期一般入院料2 | 21日 |
急性期一般入院料3 | 21日 |
急性期一般入院料4 | 21日 |
急性期一般入院料5 | 21日 |
急性期一般入院料6 | 21日 |
地域一般入院料1 | 24日 |
地域一般入院料2 | 24日 |
地域一般入院料3 | 60日 |
前述の通り、急性期病棟では平均在院日数を短縮することが求められます。
平均在院日数を短縮するためには
・入院患者の延日数(①)を減らす
・入退院・入退棟数(②)を増やす
という2つの方法が考えられます。
収益を考えれば、延日数を維持し、入退院・入退棟数(②)を増やす(=入退院の頻度を上げ回転数を稼ぐ)ことで短縮を図ることが理想だと言えます。
しかし、人手不足等で十分な入院受入れ数を確保することができない場合、入院患者の延日数(①)を減らすことで平均在院日数を維持することも考えなければいけません。
いずれにせよ、基準日数を維持できなければ入院料算定が不可となる重要な数値。
適正なベッドコントロールのため、正確かつ最新の数値をつねに算出しておくことが重要です。